体の構造は適材適所に必要な機能が割り当てられていて、実によくできています。
筋肉にも「目立ちたがり屋タイプ」と「控えめタイプ」があります。
(いま私が勝手に命名してみました)
「目立ちたがり屋タイプ」は大筋群と呼ばれるもので、胸や大腿部などの大きな筋肉です。
「控えめタイプ」は小筋群と呼ばれるもので、肩回りや二頭筋などの小さな筋肉です。
さらに「控えめタイプ」のなかに「縁の下の力持ちタイプ」がいます。
それが、大筋群が動くときの安定を担っているスタビリティーマッスルと呼ばれるものです。
例えば、ベンチプレスでなかなか重いものを拳上できない、すぐに数をこなせなくなるのは
もしかすると、安定を司る役割が大きいローテーターカフ(肩甲骨付近にある4つの筋肉)
の疲労が原因かもしれないのです。
この「縁の下の力持ちタイプ」を鍛えるなら
マシントレーニングよりは、バーベルを使ったトレーニングの方が有効ですし
バーベルよりはダンベルを使ったトレーニングの方が有効でしょう。
つまり、不安定な状態を作ってあげた方が、関与は大きくなっていくのです。
目につきやすいからと言って「目立ちたがり屋タイプ」ばかりに気を取られていると
その陰でしっかり働いてくれている「縁の下の力持ちタイプ」を忘れがちになります。
それぞれに、役割があり、得意不得意があります。体は色々なタイプの筋肉が
チームを組んで動いていることを頭に入れてトレーニングしてみましょう。
何か実社会と同じような構造ですね。